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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第8回: 組織のモチベーションを高める工夫とは?

内発的に動機づけするための仕掛けが必要

 職員のモチベーションは、福祉医療施設の経営者や幹部にとって常に悩みの種ではないだろうか?一見元気で「調子がよさそう」と見過ごしていると、気づいたら疲弊しており、時すでに遅し、ということは少なくない。給与や昇進への反映が難しい昨今、とくに内発的に動機づけをするために、さまざまな仕掛けや働きかけをしていく必要がある。

 例えば、あなたなら普段どのようなときにモチベーションが上がるだろうか?やはり自分の働きが認められたり、自分の存在が役に立ったとき、相手から感謝されたときではないだろうか。

 それに関して、最近当施設の委員会が面白い取組みを始めたので、ご紹介したい。

 1点目は「褒め褒めノート」。これは部署を問わず、「これは褒めたい」という事柄を見つけたときに、専用ノートに書き込む。一般的に、悪い点を指摘されることはあっても、褒められる機会というのは意外に少ないもの。やはり人間認められるのはうれしいし、よいところを見つけ、それを伝えてあげることもうれしいものだ。相手のよい点を発見する格好の訓練にもなっている。今後はこれを集計して、表彰していくつもりだ。

 2点目は、職員同士で各種接遇の投票コンテストを行っている。例えば今回「ベストスマイル賞」を選出して、その集計結果を貼り出し、朝礼時に表彰した。今後「プラスαの声かけ賞」「まわりを元気にしたで賞」「利用者に寄り添ったで賞」を選出し、継続的に行っていくつもりだ。

無力感を排除し意欲を大切にする風土づくり

 いずれもまだ試行段階であり、施設全体でより参加意識を根づかせていくためには改善が必要である。しかし特筆すべきは、いずれの取組みも私が発案し指示したものではなく、委員会が独自に企画し、楽しみながら進行しているところである。自分たちの「やりたい」を実行できる風土づくり。「どうせ言っても無理だから」という無力感を可能なかぎり排除し、とりあえずやってみようという気持ち、そして自分たちで職場環境をよりよくしていきたい、という意欲を大切にする。そのためには、これまでの慣習にとらわれず、何でも一度任せて試しにやらせてみることが大切ではないだろうか。

 その他、本誌9月号でもご紹介したとおり、朝礼時にコーチング形式で自分の目標を発表している。本人にとっては宣言効果があり、ビジョンを繰り返し描き続け明確にする効果があるのと、他者の目標を聞くことで意外な発見や刺激につながる。そして、朝礼で申し送り終了後、私のかけ声のもと、参加者全員でハイタッチして、笑顔で元気よく業務を開始する工夫もしている。それによって一体感の醸成と気分の高揚をねらっている。

 要するに、上記の取組みはどれも、コーチングにおける「承認」をいかに組織内に仕掛けていくか、ということである。プラスのストロークを投げかけ続けることが好循環になり、職場全体が前向きで、働いていて気持ちのよい風土になっていく。

 また、私自身、職員へ日常的な声かけやねぎらい、時にはあえて冗談を言いながら笑顔で言葉を交わすことを心がけており、日常の繰り返しで単調になりがちな業務に変化をつけ、楽しみや視点の転換の要素を加えることをねらっている。

 モチベーションを高める手法そのものはシンプルだが、実はその継続性の方が難しい。それを経営者、管理職、リーダーがいかに本気で取り組むかがカギではないだろうか。


※ この記事は月刊誌「WAM」平成23年11月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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