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連載コラム
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トラブルに学ぶリスク対策

介護現場で起きた事例を踏まえ、原因とその防止策のポイントをお伝えしていきます。



<執筆>
株式会社安全な介護 代表取締役
山田 滋(やまだ しげる)
<プロフィール>
介護現場で積み上げた実践に基づくリスクマネジメントの方法論は、「わかりやすく実践的」と好評。著書に『安全な介護』(筒井書房)、『介護施設の災害対策ハンドブック』(中央法規)など多数

事例P:デイの利用者を送迎車から降ろし忘れて苦情申立に

こんな事故が起きました!

デイサービスの利用者を迎えに行き施設にお連れしましたが、最後列のシートで寝てしまっていたため運転手が送迎車から降ろし忘れ、車を駐車場に停めて施錠してしまいました。すぐに目覚めた利用者は離れていく運転手の姿に驚いて、クラクションを鳴らしました。運転手がすぐに戻ったため事故には至らず、所長は「大変失礼なことをしました」と何度もていねいに謝罪しました。しかし、父親から「怖い思いをした」と、この話を聞いた娘さんは、「失礼なことじゃなくて、これは事故でしょう?送迎車に置き去りにされて死んだ人もいるのよ」と激怒し、市に苦情申立を行いました。

事故原因と防止対策

「利用者を送迎車から降ろし忘れる」という不手際の原因は、もちろん運転手の不注意であり降車後の車内確認のルールがないことが原因ですから、最終的な責任は管理者にあります。しかし、きちんと謝罪したにもかかわらず、なぜこの娘さんは激怒して市に苦情申立をしたのでしょう? 娘さんは「失礼なことじゃなくて、これは事故でしょう? 送迎車に置き去りにされて死んだ人もいるのよ」といっていますが、これは平成22年7月に千葉県内のデイサービスで起きた次の事故を指しています。

平成22年7月24日、千葉県木更津市内で迎えに行った利用者を、デイサービスに到着後送迎車から降ろし忘れ、夕方まで車内に放置し熱中症で死亡させる、という事故が起きました。その日、死亡したUさん(女性81歳)はデイサービスを利用するため、午前8時45分頃自宅へ迎えに来たミニバンの3列シート最後列に乗り、他の利用者4人と共にデイサービスへ向かいました。午前9時15分頃施設に到着後運転手がUさんを送迎車から降ろし忘れ、そのまま午後5時30分頃まで炎天下の駐車場(最高気温は34・6度)に放置し、発見時には既に死亡していました。送迎車の運転は委託を受けた男性運転手( 70歳)が一人で行っており、警察は業務上過失致死の疑いで運転手らから事情を聴取しました。

本事例のデイサービスは九州地方にあるため、千葉県内で起きた重大事故の情報を知らなかったのかもしれません。しかし、自らの業界で過去に起きた重大事故はきちんと把握し、防止対策を講じるのは当たり前のことです。とくにニュースなどで報道され社会でも話題になり、一般消費者でさえ知っているような介護事故の情報を介護事業者が知らないと「事業者としての適性に欠ける」という印象を与えてしまいます。

デイの利用者を送迎車から降ろし忘れて苦情申立に

他の業界では、業界団体などが中心になって事故情報をデータベース化して事業者が共有できるようにするなど、業界全体の利益のためにさまざまな工夫をしています。ところが、介護業界では重大事故でも市町村が地域の事業者に注意を喚起する程度で、遠方の他地域の事業者が事故情報を共有する仕組みがありません。管理者はインターネットなどで事故情報を収集し、防止対策を講じるとともに、似たような事故が起きた時にその重大性を認識して、適切な家族対応をしなければなりません。

トラブルを避ける事故対応

前述のように、過去に起きた千葉県の同種の事故を知らなければ、単に失礼なことをしたと考えてしまうかもしれません。しかし、お年寄りが送迎車に取り残されて閉じ込められ、ひどく怖い思いをしたことは間違いありません。そのまま放置され体調が悪くなれば最悪の事態も予想されます。他地域の同じ事故を知らなくても、相手に怖い思いをさせたうえ、大事故の可能性もあったということに思いが及ぶ思慮深い管理者であれば、自宅を訪ねて家族に謝罪するくらいの対応はできたでしょう。

※ この記事は月刊誌「WAM」平成28年8月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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