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福祉医療分野の制度・施策動向ウォッチ
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2025年5月20日

【厚生労働省】第246回社会保障審議会介護給付費分科会(令和7年4月14日開催)

経営難が続く訪問介護へ財政支援を! 中山間地域等におけるサービス継続も論点に

 第246回社会保障審議会介護給付費分科会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)では、次期介護報酬改定(令和9年度)に向けた「令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和6年度調査)」を行ってきた。この日は3月31日に介護報酬改定検証・研究委員会で承認された、次の4項目の調査結果が報告され、委員により検討がなされた。

 第246回社会保障審議会介護給付費分科会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)では、次期介護報酬改定(令和9年度)に向けた「令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和6年度調査)」を行ってきた。この日は3月31日に介護報酬改定検証・研究委員会で承認された、次の4項目の調査結果が報告され、委員により検討がなされた。

1.高齢者施設等と医療機関の連携体制等にかかる調査研究事業

 令和6年度介護報酬改定では、施設系サービスにおいて、入所者の急変時に3つの要件(@相談対応を行う体制、A診療を行う体制、B入所者の入院を原則として受け入れる体制)を確保した医療機関を定めることが義務化されている(経過措置3年)。今回の調査では、介護老人福祉施設56.6%、介護老人保健施設70.0%、介護医療院72.4%が協力医療機関を定めていた。一方、未だ検討も行われていない施設が一定数あることがわかった。

 また、これら3要件を満たすことで算定可能な「協力医療機関連携加算」を取得しているのは、介護老人福祉施設27.2%、介護老人保健施設54.1%、介護医療院46.4%であった。加算算定には、入所者の病歴の情報等を共有する会議開催が必要だが、負担が重いという理由から算定しない施設もあった。

 協力医療機関を定めるにあたり、休日・夜間の対応が困難であると連携を断られたケース、どこに相談すべきかわからない、周辺に医療機関がないというケースも多々あるという。主な意見は次の通り。

 〈主な意見〉

 ○多くの施設が、要件を満たす協力医療機関を定められるように、医療機関側のインセンティブも含め、診療報酬においても検討が必要ではないか

 ○各施設における対応の遅れが顕著。連携が進んでいない地域に関しては、都道府県が行う地域医療構想調整会議の場等を活用し、マッチングを進めるなど実効的対策が求められる

 ○情報連携に必要な電子システム構築の状況が遅れていることも課題である

2.福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業

 福祉用具貸与価格の上限設定の見直しが3年に1度行われるようになったため、介護保険総合データベースからの集計により、福祉用具貸与事業所の経営動向や事務負担、利用者へのサービス提供への影響を改めて確認することになった。

 上限設定の見直しの影響は、それまでに比べ少なく、約1.5億円減、変化の割合はマイナス0.4%であった。一方、収益への影響では約6割の減少が見られ、その理由として貸与価格を下げたこと、利用者の減少が響いたという回答が多かった。

 令和6年度介護報酬改定で導入された一部の福祉用具に係る貸与と販売の選択制については、固定用スロープの購入を選択した利用者が最も多く、その主な理由は、長期利用が想定されることであった。

 〈主な意見〉

 ○福祉用具貸与事業所の収益が減少した一因には、利用者数の減少も理由にあるとのことだが、地域で生活する利用者にとって福祉用具は必須のアイテム。なぜ利用者が減少したのか、もっと精査することが必要である

 ○3年に1度の上限価格の見直しを続けていくと、「外れ値」(高価格商品)はほぼなくなる一方、このままさらに継続することで、半ば強制的に価格を押し下げる懸念にもつながる。さらなる検証と調整が必要

3.リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施及び一体的取組に関する調査研究事業

 一体的取組に係る加算の算定状況は、介護老人保健施設と介護医療院で約7割が算定。算定していない理由としては、「各専門職確保の困難」が挙がった。カンファレンスの実施における参加職種は、人員配置基準に定められた職種の参加率が高く、必置でない専門職は低い傾向が見られる。

 一体的取組実施の効果については、「口腔衛生状態の維持・改善につながった」「ケアの質向上、誤嚥性肺炎の予防につながった」などの結果が出た。

 〈主な意見〉

 ○特に口腔ケアに関する丁寧な調査によって、その重要性、誤嚥性肺炎の予防につながる点が周知されてきている。ただし、専門職の確保や連携が難しい部分もあり、若干ではあるが二極化が進んでいるのではないか

 ○居宅サービスにおける口腔栄養の連携、利用者への歯科受診が重要であるという認識をもって、引き続き継続的に取り組んでほしい

4.地域の実情や事業所規模等を踏まえた持続的なサービス提供の在り方に関する調査研究事業

 本調査では、特に資源が乏しい地域を中心に、介護ニーズの状況やサービス提供体制、小規模な事業所を含めたサービス提供の実態等、直近の基礎的な情報が収集・分析された。

 職員の年齢構成は、特に訪問介護、地域密着型通所介護、小規模多機能型居宅介護で60歳代以上の職員の割合が高く、職員の確保において、各サービスともに若年層が確保できない、経営に十分な数の人材が確保できていないところが多い結果となった。採用については、ハローワークそして知人の紹介によるものが多かった。

 また、処遇改善加算Tの取得状況において、訪問介護、地域密着型通所介護、介護医療院で未算定の事業所が多いことが明らかになった。

 さらに、訪問介護事業所調査も同時に実施され、地域別・訪問回数別の収支差率の比較が行われ、「400回以下」と訪問回数の少ない区分では、都市部で収支差率「5%以上」の割合が高かった。一方、中山間・離島等では、収支差率「5%以上0%未満」「5%未満」の割合が多く赤字であった。中山間地域・都市部ともに、訪問回数の減少によって介護収入が減少していることが明らかになっている。

 これらを受けて、厚生労働省では、引き続き処遇改善加算の取得促進と令和6年度の補正予算を通じて、訪問介護事業所への支援、中山間地域・離島等に係る加算取得要件の弾力化等、対応策を講じていく。

 〈主な意見〉

 ○めまぐるしく変化する今日の社会経済情勢にも耐えうるように、改定期を待たず、必要な見直しを行う仕組みを導入してはどうか

 ○どの地域においても、利用者本人の希望する場所で必要なサービスが受けられるよう、またどのような地域状況にあっても安心して訪問介護に従事できるように、改めて中山間地域・離島等の実情に応じた方策検討を望む

 ○人員不足によって、利用者へのサービス提供体制を調整しているという回答が多かったのも、気になるところである

 ○従来の訪問介護事業所と、集合型の事業所それぞれの状況について、詳細な把握を望みたい

 ○介護の魅力発信や処遇改善加算では人は集まらない。抜本的な給与のベースアップを行い、他産業への人材流失を防ぐのが喫緊の課題ではないか

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