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福祉医療分野の制度・施策動向ウォッチ
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2025年8月22日

【こども家庭庁】こども家庭審議会 第11回子ども・子育て支援等分科会(令和7年8月4日開催)

多様な子育て環境や親子の共育ち、虐待防止、保育士の人材確保
喫緊の課題解決に向け、熱い視線が集まる

 子ども・子育て支援等分科会は、こども家庭審議会のもとに設置され、主に子ども・子育て支援法の基本方針に関する事項、給付費や施設等の各種基準、公定価格に関する重要事項を審議する。保育・幼稚園関係団体・有識者・行政・経済団体等の委員から構成され、令和5年4月のこども家庭庁発足以来、さまざまな検討を重ねてきた。同分科会は昨年度の3月でひと区切りをつけ、8月4日開催の第11回より委員構成も含め新たな体制でスタートした(部会長:鈴木みゆき・國學院大学人間開発部子ども支援学科教授)。

 子ども・子育て支援等分科会は、こども家庭審議会のもとに設置され、主に子ども・子育て支援法の基本方針に関する事項、給付費や施設等の各種基準、公定価格に関する重要事項を審議する。保育・幼稚園関係団体・有識者・行政・経済団体等の委員から構成され、令和5年4月のこども家庭庁発足以来、さまざまな検討を重ねてきた。同分科会は昨年度の3月でひと区切りをつけ、8月4日開催の第11回より委員構成も含め新たな体制でスタートした(部会長:鈴木みゆき・國學院大学人間開発部子ども支援学科教授)。

 新体制1回目となる今回は、多岐にわたるテーマについて活発な意見が交わされた。

こどもまんなか実行計画2025年の策定について

 令和6年度に策定された「こどもまんなか実行計画」は、1年を経て内容を見直しバージョンアップを図るため、令和7年6月に改定された。中高生の自殺、いじめ、不登校児童、児童虐待の社会問題、そして少子化といった現状も踏まえ、次の3つの領域に重点的に取り組む。
(1)困難に直面するこども・若者への支援
(2)未来を担うこども・若者へのより質の高い育ちの環境の提供と少子化対策の推進
(3)「こどもまんなか」の基礎となる環境づくりの更なる推進


 新たに示されたこれらの内容について、以下の意見が交わされた。

 ○ 概要のなかで、「共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大」とあるが、こどものウェルビーイングだけでなく、親子のウェルビーイングを包括する社会を目指すことが重要である

 ○ 「ライフステージ別の重要事項」のなかで、誕生前から幼児期までについて示されているが、これは親との時間を最も大切にしてもらいたい時期である。育児休業期間は、現状満2歳までだが、これを満3歳にまで延長し、小学校入学前までは時短勤務が可能となるようにして、企業側、そして保護者側にも働き方改革を考えてもらう必要がある。

 ○ 女性経営者やフリーランスなど、雇用保険対象外の人に対しても、一定期間育児休業などについて補助を設けてはどうか。

 ○ 保育や幼児教育の現場では、急激な人口減少や少子化が起こっており、運営基盤の確保が課題だ。長中期的な視点で、人口減少や少子高齢化の現実を見据え検討する必要がある。

 ○ 保育士や幼稚園教諭などの処遇改善、保育士配置の改善、放課後児童クラブなどへの支援を期待したい。特に保育士の賃金については、公定価格上の人件費の基本分単価も含めて実効性のある対策の検討をお願いしたい。


虐待防止や人材確保対策について

 令和7年4月に成立した改正児童福祉法では、虐待を受けたこどもへの対応の強化、保育における多様な需要に対応するために必要な人材の確保、事業の実施体制整備を行うことが示された。それに伴い以下の取り組みが重要となる。


<児童虐待防止対策>

 ・ 一時保護委託先の質を担保し、虐待等で傷ついたこどもが安心して生活し、適切なケアが受けられる環境を整備する。そのための一時保護を適正に行える者の登録制度を創設する。

 ・ こどもの心身安全の確保のため、一時保護が行われている児童に対して保護者が虐待を行った疑いがある場合、面会通信制限等に関する規定を設ける。

<人材確保と事業の実施体制整備>

 ・ 都道府県における「保育士・保育所支援センター」(潜在保育士の復職支援等を行う機関)の設置。

 ・ 国家戦略特区にのみ認められている「地域限定保育士」が登録後3年を経過した場合、現状認められていない都道府県においても通常の保育士として業務を行うことを可能とする。

 ・ 国家戦略特区にのみ認められている「3?5歳児のみを対象とした小規模保育事業」の全国展開。

 ・ 保育所などの職員による虐待に関する通報義務の創設。


 これらの取り組みについて、各委員は以下のような意見を述べている。

 ○ 虐待防止に関するガイドラインの作成にあたり、現場において現実的に対応可能な内容となるよう十分配慮・検討してほしい。

 ○ 保育士・保育所支援センターは、家庭的保育や小規模保育も含め、すべての施設類型に対して情報提供を行うことが必要。センターの法定化により、保育士を雇用したい施設と働きたい保育士とのマッチングが期待される。

 ○ 地域限定保育士については、人材不足解消、質の担保を図っていくことが重要で、現場の実態に即してこれらをさらに見直していく必要がある。

 ○ 1歳児配置改善加算の要件の1つ、職員の平均経験年数10年以上ということについては、小規模保育園をはじめとする職員数の少ない保育施設において非常にハードルが高い。例外的な扱いや柔軟な見直しについても検討してはどうか。


こども誰でも通園制度の本格実施に向けて

 令和8年4月から全国すべての市町村において本格的に実施される「こども誰でも通園制度」は、すべての子育て家庭に対して、保護者の多様な働き方やライフスタイルに関わらず支援を行うために設けられた新たな通園制度だ。現状は試行的事業として、一部の自治体での実施にとどまっているが、今後はこども家庭庁が中心となって必要な情報の収集や先行事例の共有などを行い、本格実施に向け体制整備に努める。


 この議題について、各委員より、多岐にわたる意見が述べられた。

 ○ 親子通園については、多様な子育て環境や親子の共育ちの観点において利用の要件から除外すべきではなく、多様な通園状況の一つとして対象に加えるべき。

 ○ 現状の給付金では運営が厳しい。安定的に運営を行うため、給付金の見直しや基礎的補助などについても検討してもらいたい。

 ○ 事業者の種別を限定せず、実績ある事業者が参入できるよう配慮願いたい。

 ○ 利用時間が月10時間では、保育者との安定した関係性の形成が難しく定期的な通園に結びつきにくい。検討が必要。

 ○ 事業実施に伴う、保育士の負担等も考慮に入れて、さらなる保育士の処遇改善を急ぐべき。

 ○ 制度の趣旨に沿った運用ができるような公定価格の設定、利用時間について十分に検討してもらいたい。


こども性暴力防止法の施行に向けた論点と検討の方向性

 令和6年6月に成立した「こども性暴力防止法」は、法律の施行期限となる令和8年12月26日に向け、こども家庭庁において検討会を設置。今年7月には中間とりまとめ素案を出している。現在、中高生からの意見聴取のための「いけんひろば」を開催、関係団体へのヒアリングを行っており、秋頃に最終的な中間とりまとめを出して、年内を目途に政令の整備やガイドラインの策定を行う。


 これらについて、以下の意見が出された。

 ○ 1年半後の法施行に向け、すでに採用した職員に該当者があった場合等の困難ケースに対応するためのガイドラインづくり、そして法自体の周知を早期に実施してもらいたい。

 ○ 従来、学校ではスクールカウンセラーの配置がなされているが、さらなる体制充実を望みたい。

 ○ 犯罪事実確認事務フローが出されているが、もっと確認しやすい詳細なフローを出してもらいたい。


 今後、同分科会では、「こども・子育て支援加速化プラン」について、各分野、省庁等を横断して取り組んでいく予定だ。


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