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福祉医療分野の制度・施策動向ウォッチ
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2026年1月14日

【厚生労働省】第31回社会保障審議会福祉部会(令和7年11月17日開催)

「包括的支援体制」「身寄り問題」「DWAT法制化」「福祉人材」――
社会福祉法改正に向け、詰めの横断的議論

 厚生労働省の「社会保障審議会福祉部会」(部会長:菊池馨実・早稲田大学理事・法学学術院教授)が11月17日に開催され、@地域共生社会の更なる展開、A身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応、B社会福祉法人制度・社会福祉連携推進法人制度の在り方、C災害に備えた福祉的支援体制、D共同募金事業の在り方、E福祉介護人材の確保・育成・定着――といった、次期制度改正の俎上に載せられている主要項目について、横断的な議論が交わされた。

 厚生労働省の「社会保障審議会福祉部会」(部会長:菊池馨実・早稲田大学理事・法学学術院教授)が11月17日に開催され、@地域共生社会の更なる展開、A身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応、B社会福祉法人制度・社会福祉連携推進法人制度の在り方、C災害に備えた福祉的支援体制、D共同募金事業の在り方、E福祉介護人材の確保・育成・定着――といった、次期制度改正の俎上に載せられている主要項目について、横断的な議論が交わされた。

 福祉部会は「誰も取り残されることのない“地域で支え合う社会”」を目指して、令和7年4月から8か月にわたって、社会福祉法改正を視野に@〜Dの現状と課題ならびに対応の方向性について議論を積み上げつつ、同時並行で、部会の下部組織として設置された「福祉人材確保専門委員会」でEの検討を進めてきた。

 この日は厚生労働省事務局が、最終報告のたたき台となる総括的資料として、部会での議論の整理(@〜D)と、専門委員会のとりまとめ(E=「福祉人材確保専門委員会における議論の整理」令和7年11月11日付)を提示。これを受け、年内とりまとめに向けた念押しや確認、追加意見の表明等が行われた。

「包括的な支援体制」の全国展開をスピードアップ
事業評価の導入へ

 「地域共生社会の更なる展開」に関しては、平成29年度から「包括的な支援体制の整備」が市町村の努力義務に位置づけられながらも全国展開のメドが立っておらず、整備が進んだ市町村であっても、「相談支援(個別支援)を中心に体制構築がされており、地域づくりに十分に取り組めていない状況が見られる」「重層的支援体制整備事業開始後の事業評価や見直し等が実施されていない状況が見られる」など、体制整備の進捗や方向性に課題がある旨、厚労省事務局のたたき台は指摘している。

 そして、全国展開のスピードアップと、あるべき体制整備への軌道修正が図られるように、以下のような対応案を打ち出している。


・包括的な支援体制整備のために市町村が実施すべき施策を明確化
・重層的支援体制整備事業の質の向上に向けた「事業評価」の導入
・財政支援のあり方を「機能面・取組面の評価を踏まえた仕組み」へと見直し
・重層的支援体制整備事業を実施していない市町村を対象とした体制整備促進
・過疎地域等における包括的な支援体制整備を推進するための新たな仕組みの創設
(人員配置基準を分野横断に柔軟化/相談支援の枠組みを「一次相談対応」「専門的相談対応」の2層構造に分化し、後者は市町村の求めに応じて都道府県が後方支援など)


 これを受けて部会では、事業評価の導入に関して、「制度の硬直化を招くことがないように留意してほしい」「支援実績件数として現れない『伴走的な支援の積み重ね』『関係機関との連携』『住民への理解促進』などの取り組みも含めて総合的に評価されるよう検討が必要だ」といった注文がついたほか、財政支援についても、「交付金が減額されれば事業運営への支障が懸念される。市町村の取り組みに影響が及ばないよう、十分な予算を確実に確保していただきたい」などの発言が相次いだ。

 また、過疎地域等に適用される新たな仕組みに関しては、「地域のニーズや実情に沿った形で実施できるよう、柔軟な制度設計をお願いしたい」「専門的相談対応への都道府県の支援体制強化をぜひお願いしたい」といった要望が寄せられた。

「身寄りのない高齢者」「判断能力が不十分な人」の支援で新事業創設へ

 「身寄りのない高齢者等への対応」「成年後見制度の見直しへの対応」に関しては、前段と後段、2つの課題に対する一つの“解”として整理されている。

 前段の課題は、単身世帯の増加を背景に「(1) 日常生活支援、(2) 入院・入所の手続等支援、(3) 死後事務」のニーズが充足されない層の急増という課題。後段の課題は、成年後見制度が「適切な時機に必要な範囲・期間で利用できる仕組み」へと見直される方向(法制審議会で民法改正へ向け検討中)であるのを受けて、「後見が終了したあとの権利擁護支援」ニーズの発生が見込まれるという課題である。

 このような別々の課題に対して、今回のたたき台では「頼れる身寄りがいない高齢者等も、判断能力が不十分な人も、人生の最期まで安心して歳を重ね、自分らしく地域で自立した生活を送るためには、日常的な金銭管理支援、福祉サービス等の利用支援、入院・入所手続支援などの生活支援や、死後事務の支援が必要という点は共通している」と整理して、これらの支援を誰もが受けられる「新たな仕組み」の創設で解決を図る構想を打ち出している。

 具体的には、現行の「日常生活自立支援事業」(略称:日自事業)を拡充・発展させて、(1)日常生活支援、(2)円滑な入院・入所の手続支援、(3)死後事務支援などを提供する新たな第二種社会福祉事業を社会福祉法に位置づけ、一定の公的関与の下、社会福祉協議会や社会福祉法人等の多様な実施主体が事業を実施できるようにする――というもの。

 対象者は「判断能力が不十分な人や、頼れる身寄りがいない高齢者等」とし、資力がなくとも利用可能なように利用料減免の仕組みを設ける。実施主体に制限は設けず、都道府県知事へ届出により参入できるものとする。なお、現行の日自事業と同様、どの県でもあまねくこの新事業が実施されるように、すべての都道府県社会福祉協議会および指定都市社会福祉協議会で扱うものと位置づける、といった内容である(表参照)。

表 たたき台に示された「新たな事業」(案)の概要

● 対象者

 ・判断能力が不十分な人や頼れる身寄りがいない高齢者等とし、地域で自立した生活をし続けるために、生活上の課題に関して支援を要する者

● 事業内容

 ・判断能力が不十分な人や身寄りのない高齢者等に対する「日常生活支援」に加えて、 「入院・入所等の手続支援」と「死後事務の支援」の少なくとも一方を実施する

● 利用料

 ・原則として利用者負担とし、無料又は低額で利用できる要件に該当する者に対しては、利用料を減免。ただし、葬儀・納骨・家財処分に係る費用の実費相当は利用者が負担する

 ・利用料は、各地の最低賃金や新たな事業の運営等を踏まえ、各実施主体で設定

● 実施主体

 ・事業の実施主体に制限は設けない

 ・都道府県内の区域であまねく事業が実施されるようにするため、現行の日自事業と同様、都道府県社会福祉協議会・指定都市社会福祉協議会で実施

● チェック体制

 ・実施主体は都道府県知事へ届出

 ・都道府県知事は、必要に応じて事業経営の状況調査、制限、停止を行う。違反した場合は、罰則の適用もある

 ・実施主体ごとに、事業運営に関して適正な運営の確保を図る

 ・「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(令和6年6月)」の遵守が望ましい

「求められるサービスの質の担保。負担増・人材不足への懸念も

 以上のような制度案の提示を受け、部会では事業の枠組み自体について、「そもそも『判断能力が不十分な者』と『身寄りのない高齢者等』はニーズや状態像が異なる。それぞれ別の事業として法に位置づけるべきものではないか」「これらのニーズは新事業だけで対応するのではなく、包括的支援体制における『地域づくり』とも一体的に取り組むものではないか」と再考を促す意見や、「身寄り問題ばかりに焦点が当てられていて、後見終了後の支援をどう展開するのかについてもっと検討していただきたい」と訴える意見が出された。

 また、実施主体に制限を設けず「多様な主体」の参入が可能となっていることについて、「サービスの質を担保するうえでも、人員配置や経営基盤など体制面について十分な事前チェックが必要ではないか」という意見や、「金銭を扱う事業は同意を得て実施しても、利用者との葛藤が起こりやすく、事業に関わる職員には一定の専門性が求められる。利用者の権利が侵害されないような実施体制や、都道府県知事等において着実に調査、制限、停止、罰則適用を行える体制が不可欠だ」という意見が出された。。

 さらに、新事業創設で相談需要が掘り起こされるとの懸念から、「専門員のシャドーワークが心配」と案ずる声も上がった。現行の日常生活自立支援事業の現場では、対象や業務の拡大にともなう負担増や人材不足への懸念が高まっているとのことで、財政支援を求める意見が相次いだ。

DWAT法制化へ――チーム員の派遣元事業所に応じるべき“配慮義務”

 「災害に備えた福祉的支援体制」に関しては、災害救助法改正(令和7年7月施行)により「災害時の福祉的支援」が法定化されたことを受け、平時から体制づくりを進められるように、たたき台には以下のような対応案が列挙された。


・社会福祉法や地域福祉計画策定ガイドラインに「防災との連携」関連の記述を追記
・DWATの法制化(登録制度、研修・訓練にかかる規定を創設)
・派遣要請時におけるDWATチーム員の派遣元使用者の配慮義務(努力義務)を規定
・DWATチーム員に対する秘密保持義務を規定


 これを受けて部会では、DWAT法制化の提案に対して、相次いで賛意が示された。法整備にあたっては、「DWATが入る前後も視野に入れた『切れ目のない支援』が提供できるように検討が必要ではないか」といった意見がつけられた。一方、事業所の使用者に課せられる要員派遣への配慮義務に関しては、「派遣元の施設・事業者は、ただでさえ人材不足の中で人を派遣することになる」として、人員基準の弾力化や財政支援を求める声が上がった。

 また、“受援”という観点から、「被災地となったときに、必要とする支援を的確に要請・調整して受け入れることができるように、平時から各地で仕組みを整えておくことが必要ではないか」という意見も出された。

中核的介護人材の確保・育成、プラットフォーム構築

 「福祉介護人材の確保・育成・定着」に関しては、福祉人材確保専門委員会における「議論の整理」(とりまとめ)から、以下のような対応案が提示された。


・都道府県を設置主体とする「介護人材確保に関するプラットフォーム」の構築
・介護助手の活用によるタスクシフト/シェアの推進
・業務負担軽減と働きやすい環境づくりによる定着支援
・介護職チームを適切に機能させる「中核的介護人材」の確保・育成
・幅広い専門性取得への道を広げる国家試験受験資格等にかかる見直し
・介護福祉士届出制度の対象を現任者に拡大、キャリア形成支援
・小規模法人を対象とした外国人介護人材の確保・定着にかかるサポート


 これを受けて部会では、「福祉介護人材を確実に確保するうえでは、処遇改善が欠かせない。賃金水準の底上げを重点的に検討いただきたい」「処遇改善と専門性の評価を一体的に議論する場を設けていただきたい」など、処遇改善に向けてのさらなる取り組みを求める声が相次いだ。

 また、事業所サイドにおける工夫という側面から、「福祉人材の確保にあたっては、“多様な働き方”を保障する職場環境や、地域の暮らしに連なる取り組みなど、『仕事と暮らしのwell-being』の実現が 大事になってくるのではないか」という見解も示された。さらに、“多能工化”を進める観点から、「中山間人口減少地や離島などで、“なくなりつつもゼロにはならない福祉ニーズ”に対応するうえで、幅広い専門性や視点を有する人材が必要。複数の資格を取得しやすい仕組みの実現に向けて、検討をお願いしたい」との要望が出された。


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