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福祉医療分野の制度・施策動向ウォッチ
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2026年07月24日

【こども家庭庁】第14回こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会(令和8年3月18日開催)

6月策定予定の「こどもまんなか実行計画2026」具体化に向け
分科会での審議は大詰めに

 3月18日に開催された第11回子ども・子育て支援等分科会(分科会長:鈴木みゆき・國學院大学人間開発部子ども支援学科教授)では、6月に策定された「こどもまんなか実行計画2026」について議論が交わされた。実行計画のポイントと目指すべき方向性に関して現場の課題や各委員からの多岐にわたる意見が示された。

 3月18日に開催された第11回子ども・子育て支援等分科会(分科会長:鈴木みゆき・國學院大学人間開発部子ども支援学科教授)では、6月に策定された「こどもまんなか実行計画2026」について議論が交わされた。実行計画のポイントと目指すべき方向性に関して現場の課題や各委員からの多岐にわたる意見が示された。

2026年度実行計画は
こども版「骨太の方針」として取りまとめられる予定

 こどもまんなか実行計画は、こども基本法に基づき基本的方針が定められている「こども大綱」をもとに、年度ごとに取り組むべき施策を取りまとめるもので、各分科会・部会での審議・調査の内容が基本政策部会に報告され、毎年6月ごろの策定に向け審議される。

 2026年度の実行計画は、過去2年間に示された約400にも及ぶこども政策全てを網羅したボリュームのある内容とは異なり、こども政策の重点項目、具体的には昨年度の計画の第1章をよりいっそう充実させ、いわばこども版の「骨太の方針」として実効的な意味合いを持たせた内容となる。

 当会議では、そのあるべき方向性や内容について幅広い角度から検討が行われた。原案作成に向けた方針(案)に、各委員は以下のような意見を示した。

こどもまんなか実行計画2026の策定について

資料 こどもまんなか実行計画2026の策定について p7

@切れ目のない健やかな育ちの環境の提供・教育等の推進(切れ目のない保健・医療の確保、多様な遊びや体験、質の高い幼児教育・保育の推進、居場所づくり等)

・少子化対策として統廃合や規模の縮小が行われていく現状がある。規模の小さな施設をなくすような形の整備ではなく、こども・子育て家庭を中心に考え、それぞれのこどもや子育て家庭が自分たちに合った保育施設を選べるような、持続可能な保育の整備をしていただきたい

・生涯のウェルビーイングに影響を及ぼす「はじめの100か月」では、切れ目なく育ちを支えることを大切にしているが、家庭的保育は地域に根ざした、最小の集団経験ができる施設である。誰でも通園制度をここで体験したこどもたちは、少人数であるからこそ、緊張することなくスローステップで経験を積み重ねることができる

・子育てにおける家庭の価値観は多様化していて、働かずに在宅育児を選択する家庭も一定数存在する。施策では主に共働き家庭への支援を中心とした記載になっており、在宅育児を担う世帯への支援はやや見えにくく、表現に工夫が必要だ

・育児休業は原則1歳までとされているので、子がまだ小さい段階で保育所入園を選ばざるを得ない現状がある。3歳まで育児休業取得が可能になる育ちの環境が整備されるよう、さらなる検討が必要か

A貧困、ひとり親家庭、虐待、いじめ、不登校、ヤングケアラー等困難に直面するこども・若者、子育て家庭支援の推進

・ACEs(逆境体験を指標化)とPACEs(人とのつながりを指標化)という考え方が提示されており、人とつながりのあるポジティブな経験の積み重ねにより、逆境に直面したときの順応度が高まるという心理学的データがある。この考え方がもっと浸透すれば、社会的養護にたどり着く前段階で、こどもたちがより健康に育つことができると感じている。

当日配布資料

当日配布資料 ACEsとPACEs p4

B障害児・医療的ケア児等の特性に応じたインクルージョンの推進、社会的養護を必要とする若者・子育て家庭への支援

・実行計画2025においては、ひとり親家庭の支援や障害児・医療的ケア児、多様かつ複合的な困難に直面したこどもの支援が盛り込まれた点が評価されている。一方で、このような施策を地域で担う人への支援の必要性も浮き彫りになった。2026年度の実行計画では、現場が疲弊しないような国としての財源確保を含めた支援が加わることを期待したい

・児童相談所や児童養護施設における人材確保と定着のための体制強化。保育・幼稚園・放課後児童クラブ・福祉において子育て支援を担う人たちの処遇改善を望む

C結婚・出産・子育ての希望を叶える少子化対策の推進

・「安心して子育てできる地域づくり」という文言をぜひ付け加えてもらいたい

・妊娠の確定診断の費用は、自由診療扱いのため1万円近くの負担が発生する。費用負担の軽減を検討してほしい

・卵子凍結にかかる費用補助が本年度より予算化されスタートする。これに加え、結婚している夫婦の受精卵凍結に関する費用補助も同様に検討機会を設けてほしい

・こども施策は景気対策のようにすぐに結果が出るものではない。だからこそ、2026年度の実行計画が少子化対策に将来的にどうつながるか、方向性を示す必要がある

D若い世代の生きづらさ解消と選択を応援する若者政策の推進

・産後ケア事業の利用率が低いのは、価格設定が若年層には高すぎて利用できないという点に原因すると考えられる。この施策の若い世代への周知度の低さも課題だ

・若年層にも届く施策に関する広報活動、情報発信が重要に

E「こどもとともに成長する企業」等をはじめとした民間企業との連携、官民連携の取組推進

・民間各企業には、良質で安定した雇用の確保・維持を通じて生活の基盤をしっかり支え、働き方改革推進を通じて固定的な性別役割分担意識から脱却し、子育て世代だけでなく、若い世代も含め誰もが将来に希望を抱くことのできる、子育てしやすい、仕事と生活の両立が可能な環境整備がさらに求められる

・大人の長時間労働に、生活を無理やり合わせなければならないこどもたちの生育環境が問題。長時間労働への対策をもっと企業で真剣に取り組む必要がある。こどもの権利に即した検討を望む

・父親が育児をするうえでの情報が不足している。両親学級のさらなる充実が求められる

・子育て支援の拡充や男性育休を進めている企業がどのように収益を上げているのか、データを取ることも必要に

Fいまを生きるこどもの安心・安全の確保、こどもの権利擁護

・デジタル時代ということをふまえ、こどもや親に対し情報面でのウェルビーイングをしっかり担保していく視点が求められる

・こどもの自殺率が増えている現状から、スマホの保有率との関連性を示す調査を行うなど対策を講じる必要性を感じる。またSNSの使い方についても国が対策を講じることが重要に。

・保育現場のハラスメント防止に向けた対策の推進が重要に

・また、保育現場におけるカスタマーハラスメントの本質的定義を含めしっかり議論したい。

・保育所の給食を外部搬入するにあたり、安全性の確保・食育の考え方・アレルギー対応の面からの配慮が大切。営利や経済合理性をこどもの育ちより優先してはならない。安易に外部委託の選択をしないための一定の要件を課すべきでは?

Gこどもの意見反映・社会参画、こども政策の基盤となる取り組み

・こどものウェルビーイングやインクルージョン(包摂)、多様な家庭・子育ての在り方、地域コミュニティとの連携などを通じ、こども自身や家庭の声をより重視する姿勢が求められる

・声をあげにくいこどもの意見反映・社会参画をより推進する必要がある

・データに基づくポリシーメーキングの重要性に注目したい。中長期的にこどもの発達や親子の状況を多面的に追跡し、政策効果を検討したり、政策立案に生かしたりすることのできる学術的な研究を行ってほしい

・親のウェルビーイングも大切な要素、政策に追記すべき

・ベビーシッターサービスにおいて、認定ベビーシッターの資格が存在するが、国家資格として資格のないベビーシッターとの差別化を図りたい

 今回は、特にこどものウェルビーイングに深く関連する心の満足度や、SNSとの関連性、こどもを育む際に重要な地域コミュニティの関わり、保育の質に影響をもたらす保育現場の職場環境改善等が言及された。当会議の審議内容は、3月30日の基本政策部会に報告され、6月の策定に向け議論をさらに重ねていく予定。


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