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2026年10月21日

【こども家庭庁】第15回こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会(令和8年8月19日)

こどもまんなか実行計画2026を報告
保育の人材確保と安定した運営体制が論点に

【今回の分科会のポイント】
・実行計画2026の策定を報告。施策を支える職員配置や処遇、地域の相談体制を議論
・インターネット利用環境の整備は、制度見直しと保護者への具体的な支援を併せて検討
・BCP策定を支えるガイドライン等を整備へ。施設の実情に応じた対応と地域連携が課題
・公定価格の地域区分や誰でも通園制度について、人材確保・安定運営の観点から意見

【今回の分科会のポイント】

・実行計画2026の策定を報告。施策を支える職員配置や処遇、地域の相談体制を議論

・インターネット利用環境の整備は、制度見直しと保護者への具体的な支援を併せて検討

・BCP策定を支えるガイドライン等を整備へ。施設の実情に応じた対応と地域連携が課題

・公定価格の地域区分や誰でも通園制度について、人材確保・安定運営の観点から意見

実行計画を支える人材の確保
配置・処遇と働き続けられる環境を議論

 こども家庭庁は令和8年8月19日、第15回こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会を開催した。議事として、こどもまんなか実行計画2026、青少年のインターネット利用環境、業務継続計画(BCP)、最近の保育政策を取り上げた。議論では、施策を担う人材と、地域で保育を継続できる運営体制の確保が論点となった。

 実行計画2026は、こども大綱に基づく重点施策を示すもので、令和8年6月9日のこども政策推進会議で決定された。こどものウェルビーイング向上と少子化対策を一体的に進め、命と安全の確保、切れ目ない支援、保育士等の処遇改善や専門職の育成・確保などに取り組む。

関連資料:こどもまんなか実行計画2026 概要(こども家庭庁)

 委員は、施策を着実に進めるには、職員が専門性を発揮し、働き続けられる環境が必要と指摘した。主な意見の要旨は次のとおり。

○1歳児の配置改善加算の要件撤廃や、4・5歳児の配置を保育士1人にこども15人とする改善を求める。全産業との賃金差の縮小も課題である。

○養成校の減少をふまえ、今後の保育士の供給を推計するとともに、現職者が自らのキャリアに応じて学べる研修の充実が必要である。

 同庁は、1歳児の加算要件について、人材確保や保育の質の向上を考慮した仕組みと説明した。さらなる配置改善は調査を通じて検討し、研修のあり方も別の検討会で議論する。

 延長・夜間保育への対応では、こどもの育ちと保育士の負担を考慮した保育時間・開所時間の検討が求められた。同庁は厚生労働省と連携して検討するとした。保護者の長時間労働の是正や短時間勤務に伴う経済的不利益への支援、「共育て」や父親の孤立防止、地域子育て相談機関とこども家庭センターの連携を求める意見もあった。

インターネット利用の安全をどう支えるか
制度整備と家庭で実行できる支援が課題

 ネット利用環境については、令和8年7月30日の「青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ中間報告」を報告した。有害情報の閲覧に加え、SNS等での有害な相手との接触や長時間利用など、リスクの多様化が背景にある。保護者が利用を管理するペアレンタルコントロール機能〔注〕の法的位置づけ、SNS等の事業者によるリスク評価・保護措置などを検討する。

〔注〕ペアレンタルコントロール機能とは、保護者がこどものスマートフォン等の利用状況を確認し、利用時間や閲覧できるサイト、アプリの利用・課金などを制限・管理する機能。

 委員からは、乳幼児期からインターネットとの接点があることをふまえ、次の意見が示された。

○保護者が保護機能を活用できるよう、年齢や発達段階に応じた注意点や対応を具体的に示す必要がある。

○事業者がサービスの設計段階から安全性に配慮し、関係者が継続的に協議する仕組みも重要である。

 自然・文化体験など、インターネットに触れない時間の充実を求める意見もあった。同庁は、発達段階に応じた情報提供を工夫する考えを示した。12月をめどに最終報告をまとめ、関係省庁と法改正案の次期通常国会への提出等を目指す。

BCPは保育の継続と再開への備え
現場で使える計画と地域の協力体制を検討

 令和8年7月28日の熊本地震への対応をふまえ、BCPの策定支援も議論した。BCPは、災害や感染症の発生時にも必要な支援を継続し、早期に業務を再開するための計画である。保育所等では、策定と必要な措置、職員への周知・研修・訓練、定期的な見直しが努力義務となっている。

 令和7年度の調査研究では、自然災害発生時のBCPを策定済みの施設は5割強、自然災害発生時以外は4割弱だった(図表)。策定の普及とともに、災害時に実行できる内容にすることが議論の中心となった。


図表:保育所・認定こども園におけるBCPの策定状況

計画の対象 施設種別 策定済み 策定中 策定していない わからない
自然災害発生時 保育所 55.3% 12.8% 23.4% 8.4%
認定こども園 53.9% 17.6% 22.5% 6.0%
自然災害発生時以外 保育所 39.2% 12.0% 37.0% 11.8%
認定こども園 37.6% 15.7% 38.5% 8.2%

※こども家庭庁「資料3 保育所等における業務継続計画(BCP)の策定等について」p.3をもとに作成。

回答施設数は保育所5,408施設、認定こども園2,534施設。数値は原資料の表示による。

 同庁は、同年10月頃をめどに感染症対策ガイドラインへ保育継続に関する記載を追加し、年度内をめどに業務継続ガイドラインの改訂等を行う予定を示した。自然災害やサイバー攻撃等による電力・通信・交通の寸断も想定し、施設類型に応じた対応の水準や、ひな形・解説動画を検討する。

 策定支援について、委員からは次の意見が出た。

○施設の規模・立地や災害の種類に応じ、職員同士で話し合ってつくれる、分かりやすいひな形が必要である。

○市町村による平時からの相談・調整と、近隣施設、地域住民、企業との協力体制づくりが重要である。

○被災した職員が保育を続ける負担にも配慮し、応援職員の派遣支援を利用しやすくする必要がある。

 このほか、BCPの一律の義務化には慎重な意見があった。また、施設類型による安全確保の差を防ぐため、共通の最低基準と統一的なガイドラインを整備し、各施設や地域の実情に応じた対応を加えられるようにすることが求められた。同庁は、派遣支援の対象に保育所も含まれる旨を自治体に通知したと説明した。また、職員間で対応や連携先を話し合う過程を重視し、施設類型を問わずBCPの策定を後押しする考えを示した。

公定価格の地域区分の見直し
給付水準と人材確保への影響を検証

 公定価格の人件費部分は、公務員の地域手当に準拠した地域区分に応じて単価が設定される。令和6年人事院勧告で地域手当の級地区分が原則として都道府県単位へ大くくり化されたことを受け、令和9年4月に向けて見直しを検討している。

 この変更を当てはめると、県内の区分差が縮まる一方、県境では隣接市町村との差が広がる場合があるため、補正のあり方が課題となる。今回は、前回示した方向性に対する自治体調査を報告した。

 21都道府県が人事院勧告に準拠しつつ新たな補正ルールを設けることが適当と回答した一方、市町村は「意見なし」が1,015団体と最多だった。率が下がる市町村では現行区分の維持や補正を求める声が多い。

 委員は、給付費の変動が職員の処遇や採用に及ぼす影響に配慮するよう求めた。周辺自治体との区分差による人材流出への懸念や、地域区分の見直しと併せて地方・小規模事業所を支える必要性も示された。

 同庁は、補正を求める市町村の地域的な分布も分析し、自治体と調整する。全国的な区分差の縮小を基本に、補正ルールや財源確保を今後の予算編成過程で検討する。

誰でも通園制度は実施状況を検証
利用時間の拡大と受入体制を併せて議論

 4月に本格実施された「こども誰でも通園制度」〔注〕の同月実績は、暫定値で認定こども数5万3,068人、実利用人数1万1,744人、事業所数6,442か所だった。月10時間の利用可能時間には、令和8・9年度は条例で3時間以上10時間未満に設定できる経過措置があり、令和8年度は26自治体が設けている。

〔注〕こども誰でも通園制度とは、保育所等に通っていない生後6か月から満3歳未満のこどもを対象に、保護者の就労要件を問わず、時間単位等で保育所等を利用できる制度。こどもの育ちと子育て家庭を支える。

 利用時間の拡大を求める意見がある一方、待機児童や保育人材の確保が課題となっている自治体もある。こうした地域差をふまえ、委員は次の点を挙げた。

○こどもの育ちを支える利用時間の拡大と、自治体独自の上乗せ分への財政支援を検討すること。

○市町村ごとの待機児童数や人材確保、各園の取組状況をふまえて利用実態を分析すること。

○社会福祉法人と学校法人の会計区分の違いによる事務負担を軽減すること。

 満3歳児への対象拡大の提案もあった。同庁は、実施状況や効果を検証し、利用可能時間のあり方や必要な手続の見直しを検討するとした。

医療的ケア児支援や安全対策
地域の支援と施設の管理体制にも意見

 医療的ケア児支援では、利用者が少ない地域の小規模事業者も支援を続けられるよう、人材・財源の確保が求められた。病児保育についても、利用者数が変動するなかで専門職と受入体制を維持するため、運営支援と処遇改善を求める意見があった。

 安全面では、訪問型保育の指導監督や保育状況を確認する仕組み、放課後児童クラブ等の避難設備・訓練への配慮が挙げられた。性暴力防止や虐待通報、BCPなど、判断を伴う管理業務への対応も論点となった。委員からは、管理職を補佐する人材の確保に加え、小規模法人では雇用や外部委託の費用負担が課題になるとして、公定価格の見直しでも配慮を求める意見があった。


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