<障害福祉サービス等(臨時)>
臨時報酬改定で処遇改善分+1.85%、就労継続支援B型は12区分に
令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定は、制度の持続可能性を確保する観点から、臨時応急的な見直しを実施する。
処遇改善分+1.85%は最大で1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.6万円込み)を実現する措置となる。内訳は、@福祉.介護職員のみならず、障害福祉従事者を対象に、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げ、A生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉.介護職員を対象に月0.3万円(1.0%)の上乗せ、となっている(令和8年6月施行)。処遇改善加算のサービス区分ごとの単位数は、表2の通り。また、これまで処遇改善加算の対象外だった計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援について、新たな処遇改善加算(5.1%)を設ける。さらに、訪問系サービスにかかる国庫負担基準については、処遇改善加算の見直しに連動した改正を行う(令和8年6月施行)。
主な改定内容は、次の通り。
●就労移行支援体制加算の見直し
就労移行支援体制加算について、同一の利用者についてA型事業所と一般企業の間で複数回転職を繰り返し、その都度加算を取得するという本来の制度趣旨に沿わない形で算定する事業者があること等を踏まえ、1事業所で算定対象となる年間の就職者数に上限(定員まで)を設定するなど、適正化を行う。また、同一事業所だけでなく、他の事業所において過去3年間で算定実績がある利用者について、ハラスメント等やむを得ない事情で退職した者など市町村長が適当と認める者を除き、算定不可であることを明確化する(令和8年4月施行)。
対象サービスは、就労継続支援A型、就労継続支援B型、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)。今後、令和9年度報酬改定に向けて、同加算のあり方については改めて議論する。
●就労継続支援B型の基本報酬区分の基準の見直し
就労継続支援B型について、令和6年度報酬改定における平均工賃月額の算定方式の見直しにより、想定以上に高い報酬区分の事業者が増えたことに対応し、基本報酬区分の基準の見直しを行う。
具体的には、平均工賃月額が約6000円上昇していることを踏まえ、基本報酬区分の基準額を引き上げる。引き上げ幅は、上昇額の1/2である3000円に留める。その際、令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所については、見直しの適用対象外とする。2026(令和8)年度の見直しにより区分が下がる事業所も、その影響が一定の範囲内に収まるよう配慮し、基本報酬の減少額が3%程度に収まるよう中間的な区分を新設する。令和6年度改定で単価を引き下げた区分7と8の間の基準については引き上げず、据え置く(令和8年6月施行/図6参照)。
●応急的な報酬単価の特例
収支差率が高く、かつ、事業所が急増しているサービス類型※1(就労継続支援B型、共同生活援助(介護サービス包括型.日中サービス支援型)、児童発達支援、放課後等デイサービス)について、サービスの質を担保しつつ、制度の持続可能性を確保する観点から、それぞれの収支差率に応じて、新規事業者に限り、応急的な報酬単価(就労継続支援B型は所定単位数の1000分の984、共同生活援助は同1000分の972、児童発達支援は同1000分の988、放課後等デイサービスは同1000分の982)を適用する(既存事業所については従前通り)。なお、受け入れニーズがとくに高い重度障害児者やサービスが不足している地域については、一定の要件の下、対象外とする。具体的には、以下の通りとなる。
※1… 年間総費用額全体に占める割合が1%以上で、令和6年度の収支差率が5%以上あるサービスのうち、事業所の伸び率が過去3年間5%以上の伸びを続けているサービス
【対象事業所】
令和8年6月1日以降に新規に指定された事業所(既存事業所については従前通り)
合併・分割・事業譲渡に伴う指定の場合、その前後で事業所が実質的に継続して運営されると認められる場合については既存事業所と同様の扱いとする。
【応急的な報酬単価を適用する期間】
令和9年度報酬改定までの間
【応急的な報酬単価について】
対象サービスにおける平均収支差率や給付費に占める基本報酬の割合等を踏まえ、一定の収支差率を確保できる水準となるよう、それぞれの基本報酬単価の特例(▲1%強〜▲3%弱程度※2)を設ける。
※2… 加算を含めた給付費全体でみた場合は、▲1%弱〜▲1%半ば程度
【応急的な報酬単価の適用対象外(配慮措置として、従前の報酬単価を適用)】
受け入れニーズがとくに高い重度障害者やサービスが不足している地域に一定の配慮を行うため、以下のケースについては適用対象外とする
<重度障害者への配慮>
(障害者)
@強度行動障害の状態にある者、医療的ケアを要する者に対して支援を行い、報酬上の一定の評価を受けている場合
A視覚.・聴覚・言語機能障害者、高次脳機能障害者を支援する体制について、報酬上の一定の評価を受けている事業所
(障害児)
@医療的ケアを要する児、重症心身障害児に対して支援を行い、報酬上の評価を受けている場合
A強度行動障害の状態にある児、視覚.聴覚.言語機能障害児に対して支援を行い、報酬上の一定の評価を受けている場合
<地域への配慮>
@離島・中山間地域にある事業所
A自治体が客観的に必要であるとして設置する事業所(例:公募によりサービスが不足する地域に設置する事業所等)
なお、前述の「一定の評価」は、サービス別に以下の内容を指している。
◎就労継続支援B型.共同生活援助
・重度障害者支援加算T(共同生活援助のみ)
・医療的ケア対応支援加算(共同生活援助のみ)
・医療連携体制加算W
・視覚.聴覚言語障害者支援体制加算(T)
・視覚.聴覚言語障害者支援体制加算(U)
・高次脳機能障害者支援体制加算
◎児童発達支援.放課後等デイサービス(基本報酬)
・医療的ケア区分による基本報酬(医療的ケア区分1〜3)
・主として重症心身障害児を通わせる事業所の基本報酬
(加算)
〈児童発達支援〉
・強度行動障害児支援加算
・人工内耳装用児支援加算(T)
・人工内耳装用児支援加算(U)
・視覚.聴覚.言語機能障害児支援加算
〈放課後等デイサービス〉
・強度行動障害児支援加算(T)
・強度行動障害児支援加算(U)
・人工内耳装用児支援加算
・視覚.聴覚.言語機能障害児支援加算
■ この記事は月刊誌「WAM」2026年4月号に掲載されたものを一部変更して掲載しています。
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