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連載コラム
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介護技術の基本

家庭で介護を行っている方から、「(介護を受ける方に)動いてもらう、または動かすのに一苦労」という声をよく耳にします。特に、体の大きな方を無理に動かそうとすると、自分の体に負担がかかるばかりか、介護を受ける方にも余計な負担を強いることになります。
そうならないためにも、体のメカニズムを理解し、正しい介護技術を身につけたいものです。そこで、本連載では、人の体の動きに合わせた介護技術の基本を紹介します。ぜひ、介護を行う際に参考にしてみて下さい。

第4回 座位姿勢

安定した座位姿勢

今回は、これまでと同様に支持基底面、重心、圧中心点の視点から、座る姿勢及びその姿勢を整えるポイントについて解説します。
この連載をこれまで見てこられた方は、どうすれば安定した座位を保つことができるのか、もうおわかりだと思います。
安定して座っているときは、支持基底面(足底、大腿部の裏面から坐骨が作る面)の中に、重心(座位時には胸付近にあります)から下ろした垂線が支持基底面と交わる点、すなわち圧中心点が収まっています(図1)。ですから、安定して座るためには、支持基底面を広くして(手をついたり、道具を使用しても可)、その中心付近に圧中心点がくるように配慮すればよいのです。
お辞儀をしたり、手を前に伸ばしたりして、重心の位置を前に持ってくると、圧中心点は支持基底面の前方に移動します。お辞儀をすると椅子から立ち上がるのが容易になるのは、圧中心点が前方に移動し、立ったときの支持基底面の中に圧中心点が移動するからです。また上を見上げたり、体を後ろに反らすと圧中心点は後ろに移動し、後方へ倒れやすくなります。




座位姿勢の崩れに対する対応

高齢者や体の安定性が低い利用者(脳血管系の障害があったり長期の安静による筋力低下など)は、頭や胸、腕の重みをしっかりと支えることができず、図2のように骨盤が後ろに倒れて背中が曲がり、前かがみの姿勢をとりやすくなります。このような姿勢では、支持基底面の後方に圧中心点が移動し、後方にバランスを崩しやすくなります。
また、こうした姿勢をとり続けると円背を助長し、股関節や膝、呼吸機能など体のさまざまな機能に悪影響を与えてしまいます。特に、自分で自由に姿勢を変えることができず、座っている時間が長い方に対しては、適切な座位がとれるよう、椅子や車椅子に対する工夫が必要となります(「シーティング」と呼ばれます)。
適切な座位姿勢といっても、リラックスするときと、食事やテーブルの上で作業をするときとでは、一様ではありません。一般的には、図3(右図)のような姿勢を目標にして、個々の生活に配慮しながら調整します。





執筆:野尻晋一(介護老人保健施設清雅苑 副施設長、理学療法士)、大久保智明(訪問リハビリテーションセンター清雅苑 主任、理学療法士)

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