
要配慮者用の避難所開設を想定した防災訓練
本年度の岩手県矢巾町総合防災訓練は15日、同町南矢幅の町民総合体育館などで行われた。要配慮者用の避難所の開設、運営訓練には町内の医療的ケア児らとその家族2組が参加し、有事への備えを確認した。
家族らはプライバシーを確保しながら家族で過ごせるテントや、臭いを漏らさないような簡易トイレなどを見学。脳性まひの息子を持つ藤村ゆみ子さん(59)=同町西徳田=はトイレに介護者用の椅子があると便利など利用者目線の要望を伝えた。
藤村さんは「たんの吸引やおむつの臭いなどを思うと今までは避難所を使うことは考えにくかったが、実際に見てみると来てもいいかなと感じた」と実感。町福祉課の立花敦志係長は「もしものとき、どんな方でも大丈夫と言い切れるために訓練を重ねていきたい」と強調した。
訓練には町内の社会福祉施設や自主防災組織などから約100人が参加。ゲリラ豪雨による洪水や浸水発生を想定して実施した。