
コロナ感染が疑われるけが人に、抗原検査を行う医師=高山市天満町、高山赤十字病院
岐阜県高山市天満町の高山赤十字病院で、新型コロナウイルス禍での大規模地震を想定した訓練があり、職員がコロナ感染疑いのあるけが人への対応を確認した。
同病院は毎年、大規模災害に備えた訓練を実施。昨年と一昨年は、コロナ禍での注意点などを話し合い、机上訓練をした。
市内を震源とするマグニチュード7・1の地震が発生し、多数のけが人が運び込まれた状況を想定。職員約190人が参加した。
通常、負傷者の治療優先度を決める「トリアージ」では、命の危険が高い順から「赤」「黄」「緑」と分け、生存の見込みが低い傷病者は「黒」とする。今回の訓練では同病院が独自に4色それぞれに、コロナ感染の疑いがあることを示す「オレンジ」を組み合わせ、8種に分類した。
コロナ感染疑いのある重傷者「オレンジ赤」のエリアでは、防護服を着た医師が抗原検査を実施し、他のけが人と分けて治療に当たった。医師らは無線を使って「トリアージ(エリア)に発熱者1名います」などと連絡し合い、迅速なエリア運営を目指した。
医療社会事業部の浮田雅人部長は「3年ぶりに実動訓練を行えた。オレンジエリアの運用も含めて今回の反省点を共有し、災害に備えたい」と話した。