当機構の経営支援室は、平成24年2月2日毎日新聞ビル・オーバルホールにおいて、「生活支援施設としての軽費老人ホーム（ケアハウス）」をテーマに、軽費老人ホーム（ケアハウス）が本来持つ役割を再確認し、これからの地域包括ケアの中で、進むべき方向性について課題を整理し、将来に向かっての持続可能性のある経営基盤を確立するためのご参考としていただくことを目的として、セミナーを開催しました。
最初の講演は、厚生労働省 老健局 高齢者支援課 課長補佐 家田 康典 氏から「現在の軽費老人ホーム（ケアハウス）とこれからの展望」と題して、講演がありました。
講演内容は大きく分けて以下の６点です。
● 介護報酬改定について
● 改正介護保険法について
● 社会保障と税の一体改革における介護保険制度の対応について
● 介護施設等の整備について
● 高齢者介護における東日本大震災への対応について
● その他
１．介護報酬改定について
最初に、介護・医療分野にかかる全体の話として、平成24年度の介護報酬改定の基本的な考え方、改定の方向、改定に関する審議報告について説明がありました。
基本的な考え方では、地域包括ケアシステムの基盤強化としての２本の柱となっている「在宅・居宅系サービスの機能強化」、「施設の機能強化」について取り上げられました。
改定の方向については、施設から在宅介護への移行を図ること、24時間定期巡回・随時対応サービスなどの在宅サービスや、リハビリテーションなど自立支援型サービスの強化を図ることなどの説明がありました。
２．改正介護保険法の施行について
平成24年4月1日施行予定である介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の概要の紹介、医療と住まいとの連携も視野に入れた介護保険事業（支援）計画の策定にかかる説明や24時間対応の定期巡回・随時対応サービス、小規模多機能型居宅介護と訪問看護の複合型サービスの概要等新たに始まるサービスについての説明がありました。
また、介護予防・日常生活支援総合事業や介護職員等によるたんの吸引等の実施について、介護サービス情報の公表制度の見直し、有料老人ホームの利用者保護規定、サービス付き高齢者住宅と介護保険の連携イメージ、認知症対策の推進について、といった4月1日からの法改正にかかる事項等について内容説明がありました。
３．社会保障と税の一体改革における介護保険制度の対応について
社会保障・税一体改革成案による介護の将来像として、2025年の地域包括ケアシステムの姿などのイメージ図などの紹介がありました。
４．介護施設等の整備について
24年度以降（第5期介護保険事業計画中）の介護基盤の整備について、24年度からの新規事項・改善事項等について、説明がありました。
５．高齢者介護における東日本大震災への対応について
東日本大震災において、介護保険制度において講じた措置として、震災当初に講じた主な措置、介護職員の派遣、避難者の受け入れに関する措置、予算措置等についての紹介や被災者の生活支援や被災地の復興支援のための地域支え合い体制づくり事業、仮設住宅へのサポート体制などの説明がありました。
６．その他
最後に老人関係施設における防火安全設備の整備について、介護関連施設等におけるスプリンクラー等の防火安全設備の整備に要する費用の助成について説明がありました。
以上のような講演の後、当機構の福祉貸付事業の紹介を行い、午後からは「地域包括ケア時代の生活支援施設とは ～軽費・ケアハウスの機能と役割を考える～」として全国軽費老人ホーム協議会 会長 川西 基雄 氏、「地域社会における軽費老人ホーム（ケアハウス）のあり方」として全国軽費老人ホーム協議会 専門委員 德山 里子 氏の講演の後、「新たな社会福祉法人会計基準の概要」として当機構経営支援室経営企画課長 千葉、「軽費老人ホーム（ケアハウス）の経営分析参考指標の概要」として当機構経営支援室経営企画課からそれぞれ説明を行いました。
今後の福祉・医療経営セミナーの予定は、
http://hp.wam.go.jp/guide/keiei/seminar_information/tabid/667/Default.aspx
です。