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第5回:社会福祉法人の経営分析について
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社会福祉法人の経営ガイド

この連載では、社会福祉法人という対象に絞った経営の考え方を皆さんとともに共有していきます。


<執筆>
独立行政法人 福祉医療機構
経営サポートセンター リサーチグループ
林 和希

はじめに

本稿では社会福祉法人の経営分析の目的および基本的な考え方をご紹介したいと思います。ご存じのとおり、社会福祉法人は、営利企業と異なり、株主・出資者への配当のための利潤の追求は求められていませんが、非営利を理由にして利益(サービス活動増減差額)の確保や経営管理をないがしろにしてよいことにはなりません。むしろ営利企業よりも、経営に関して一層重い責務があると考えています。

平時においても社会福祉法人の施設・事業は、住民の日々の生活を支えるものですが、現在の新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」といいます。)の対応という非常時においては、感染リスクと隣りあわせのなかでも、事業継続に関して地域からの強い期待が寄せられているのを感じていらっしゃると思います。

社会福祉法人の経営する施設等は、かけがえのない社会基盤です。したがって、その経営は、地域の住民からの信頼に応えながら、継続して事業運営を行うための、確かな経営基盤を確立し、維持していくことが求められるのです。

社会福祉法人の経営分析について

社会福祉法人の経営は、施設等の構成にもよりますが、サービス活動収益の約5~7割程度が人件費に充てられています。また、入所施設や保育所等では事業開始の初期に大規模な設備投資が必要になりますが、他の業種のように投資規模・サービス内容に見あう自由な価格設定ができるわけではありません。

換言すれば、収益の多くが人件費に使われる労働集約的な面、事業開始時に大規模な投資が必要な資本集約的な面、これに加えてサービス内容および収益が政策・公定価格により決定され、収益面での選択肢が他業種に比べて少ないという特徴があります。

これらの点を踏まえると、今後の地域需要を踏まえた設備投資計画を行うこと、大きなウエイトを占めるサービス活動収益対人件費率(以下「人件費率」といいます。)および従事者1人当たり人件費の水準の管理・バランスがとくに重要で、これらの管理とあわせて、人件費以外のサービス活動費用の各項目の管理を行うことが重要です。

社会福祉法人の経営の現状について

2018(平成30)年度の決算の状況については、その前年度と比べると、人件費率は0・3ポイント上昇し67・1%に、従事者1人当たり人件費は7万2千円上昇し394万2千円、サービス活動収益対サービス活動増減差額比率(以下「サービス活動増減差額比率」といいます。)は0・5ポイント低下し2・9%になりました。社会福祉法人の経営は、その運営する施設等の経営状況が蓄積された結果となりますが、多くの施設等で人件費の上昇とサービス活動増減差額比率の低下がみられました。なお、個別の施設等については、当機構のホームページにリサーチレポートを掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

次に、運営する施設等の構成別に経営状況をまとめたものが表2です。保育事業主体法人のサービス活動増減差額比率が3区分で最も高く、障害福祉サービス主体法人、介護保険事業主体法人と続いています。収益規模別の分布では、介護保険事業主体法人では収益規模4億円以上の法人が多いのに対し、保育事業主体法人では小規模な法人が多いのが特徴です。

経営管理では、各種比率の水準の確認に加え、従事者1人当たり人件費が転居・通勤可能な地域と比較して妥当な水準かという確認も必要です。もちろん、求職者から魅力的に映る地域における公益的な取組の実施や、休職者が復帰できる環境の整備も大切です。

図表1 図表2
これからの社会福祉法人の経営について

さいごに、これからの社会福祉法人の経営では、人口構造の変化の把握が、事業継続のための基礎的な要素となります。図は、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」(出生中位(死亡中位))を元に、2020年から2060年までを10年刻みで、年齢階級別の将来人口推計推移を示したものです。2020年では70~74歳の団塊世代と45~49歳の団塊ジュニア世代の2ピークの分布で、団塊ジュニア世代は2040年に前期高齢者になります。そして、今後、0~14歳の年少人口と15~64歳の生産年齢人口が確実に縮減していきます。

国の審議会等では、2040年を見据えた議論が進んでいますが、現役世代が減少しどの分野も人手不足に苦しむ厳しい時代の社会福祉法人を支えるのは、20年後に法人・施設の幹部となる現在の中堅職員で、現場の中心になるのは新たに採用する職員です。社会福祉法人の経営管理は、人の管理がその根幹にあり、事業存続に関わる重要な経営要素であることを理解する必要があります。

図

※ この記事は月刊誌「WAM」2020年8月号に掲載されたものを掲載しています。

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