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◆◆ 平成21年度 ◆◆

公表素案から読む 社会福祉法人会計基準一元化の方向

第9回 財務諸表の注記

 経営支援室 経営企画課長 千葉正展
     
    9.財務諸表の注記

財務諸表注記の充実
        資料:厚生労働省
        注)平成21年12月現在の状況を記載した資料であり、未確定事項も含まれる。

(ここに注目!)
 これまで、多くの社会福祉法人の決算書を拝見していると、財務諸表の表欄外に表示する脚注や現行の社会福祉法人会計基準の第5章で定められている注記が備わっていないものが少なからず存在していた。場合によっては、脚注と注記は同一のものと誤解されている向きも少なくないようだ。
 これは、一つには注記の記載方法のひな型が、これまでの書類の様式の中に示されてこなかったことにも原因があるかもしれない。前回の「財務諸表の作成」の部分の表には、法人全体のレベルと拠点別のレベルで注記を作成することが示されている。
 また、注記として開示が求められる事項は、従来の7つから、9つ追加となり、16項目となるとされている。(上図参照)
 財務諸表の注記は、外部の会計情報の利用者にとっては、財務諸表の情報を正確に把握するための、重要な補足情報が示されているものであることから、これまでのような法人の自主的開示努力に任せるのではなく、「このような注記(=補足)情報を、このような形で示すこと」という形で明確化されるのは、この一元化による開示会計情報の改善にとってもう一つの長足の進歩だということができよう。