福祉医療経営情報記事
トップ



 

◆◆ 平成21年度 ◆◆

公表素案から読む 社会福祉法人会計基準一元化の方向

第12回 引当金の範囲

 経営支援室 経営企画課長 千葉正展
     
    12.引当金の範囲

引当金の範囲
        資料:厚生労働省
        注)平成21年12月現在の状況を記載した資料であり、未確定事項も含まれる。

(ここに注目!)
 引当金は、経理規程準則でも「人件費引当金」、「修繕引当金」、「備品頭購入引当金」などという名称の勘定科目があったが、現行の社会福祉法人会計基準が制定されたのを機に、引当金の概念の整理がなされ、「徴収不能引当金」、「賞与引当金」、「退職給与引当金」、「その他引当金」に限定されてきたところである。具体的には、現行の社会福祉法人会計基準においては、引当金とは「将来において事業活動収支計算の支出に計上されるもので、その発生が当該会計年度以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができるもの」とされた。しかしながら、現行の会計ルールでは、修繕引当金について、社会福祉法人会計基準では認め、指導指針では認められないという取り扱いがされてきた。
 今回の見直し案では、この点について資本的支出とされる修繕費の支払いに対する準備額である修繕引当金は会計理論上引当金たる性格を有するものでないという考え方から廃止されるという案が示された。その他、引当金の関係では、退職給与引当金を退職給付引当金(後述)として整理しなおすなどの見直しを行い、当面の間引当金は3種類に限定するという案が示された。